乳幼児期の遊びとおもちゃ



DEPOT代表 高田健司



はじめに


  「遊び」と聞いて何を想像するでしょうか。私たち大人にとって「遊び」とは、仕事と別のもの、余暇活動、スポーツや音楽、ドライブや旅行など、趣味や娯楽を指します。このような大人の遊びの観点から子どもの遊びを見てしまうと、すべての子どもたちの生活の中で、遊びが不可欠なものであり、子どもたちの心身の発達に重要な役割を果たしているということを、見落としかねません。彼らにとっては、手足を曲げ伸ばししたり、床を転がったり、文字や絵を描いたり、考えたり空想したりするのも遊びです。バスタブのお湯をバチャバチャと叩いたり、食事の時にこぼしたミルクが、テーブルから落ちるのを眺めていたりするのも遊びでしょう。
   子どもたちの手にかかると何でもすべてが遊びになるのです。寝ている時間以外のすべてが「遊び」といっても言い過ぎではないでしょう。

   そして、子どもたちは遊びを通して多くのことを学び成長していくのです。


ふれあい遊びとおもちゃの関係


  すべての遊びにおもちゃが必要とは限りませんが、子どもたちはそれらを用いて数多くの遊びを発見します。たとえば、小さな赤ちゃんが、木製のボールを両手に持って、カチカチと打ち合い音を出すことを発見したり、握った手を広げると持っていたボールが床に落ちて転がることに気が付き何度も繰り返して遊んだりします。はじめは、赤ちゃんにとって偶然の発見ですが、次第に意識をしてその行為を繰り返すようになります。また、その行為に周りの大人が気づき、声をかけたり、あやしたりすると、とても喜んでそれに反応します。そして、大人たちの関心を引こうと、何度も繰り返して遊びます。赤ちゃんの働きかけに大人が答えることによって、彼らは次第に行動や感情などが発達し、物事への関心や興味が広がっていきます。
   このように遊びを通して触れ合い語り合うことで親子の間に信頼関係が生まれてくるのではないでしょうか。



ふれあい遊びとおもちゃの関係

   すべての遊びにおもちゃが必要とは限りませんが、子どもたちはそれらを用いて数多くの遊びを発見します。たとえば、小さな赤ちゃんが、木製のボールを両手に持って、カチカチと打ち合い音を出すことを発見したり、握った手を広げると持っていたボールが床に落ちて転がることに気が付き何度も繰り返して遊んだりします。はじめは、赤ちゃんにとって偶然の発見ですが、次第に意識をしてその行為を繰り返すようになります。また、その行為に周りの大人が気づき、声をかけたり、あやしたりすると、とても喜んでそれに反応します。そして、大人たちの関心を引こうと、何度も繰り返して遊びます。赤ちゃんの働きかけに大人が答えることによって、彼らは次第に行動や感情などが発達し、物事への関心や興味が広がっていきます。
   このように遊びを通して触れ合い語り合うことで親子の間に信頼関係が生まれてくるのではないでしょうか。


おもちゃは、ふれあいの道具


  親子でコミュニケーションを取るときに、おもちゃを利用するととても上手にできる場合があります。たとえば、子どもが愚図って学校に行くのを嫌がったときや、何も話をしたがらないときに、おもちゃを使って大人の代わりに話をしてもらうのです。もちろん、おもちゃが勝手には喋りませんから腹話術の要領で話します。手人形があればベストですが、なければ別のものを代用すれば結構です。タオルを丸めて人形に見立てたり、積み木をひとつ用意して、「こんにちは、どうかしたの?」と子どもに語りかけてみてください。以外と素直に話をしてくれて驚くことでしょう。
  おもちゃは子どもたちだけで遊ぶものではなく、親子のふれあいの道具になると考えてよいと思います。遊びながら会話を楽しんだり、こころを通わせ合ったりと、親子のコミュニケーションを潤滑に行なうためのひとつの道具として使用することもお薦めします。
   また、このように幼児期に遊びなどを通して、親子で正しくしっかりと触れ合うことを経験しておくと、後に訪れる[親離れ・子離れ]が、スムーズにできるといわれています。



身体をつくり、こころを育てる

  4,5歳の子どもにふたつのおもちゃを与え、とても興味深い体験をしたことがあります。ひとつは、ピンボールゲームに似たおもちゃですが、数人が向かい合い、自分の陣地に落ちてくる球を相手の陣地に打ち込むといった単純なゲームです。もうひとつは回転式の大きな盤の上に卵を抱いたニワトリが数羽いて、サイコロを振って出た数だけ卵をもらえるといったルールのシンプルなおもちゃです。どちらも家族で楽しめるテーブルゲームですが、実際に遊んでみて子どもに与える影響が、まったく違うことに驚いたのです。
  
 はじめのおもちゃを与えると、彼女は次々と落ちてくる球とゼンマイの音に興奮し、頭の中には何ひとつ考えている様子もなく、一心不乱にボールを弾きエキサイト。そして今まで聞いたことのない罵声を発しだしたのです。それには周りにいた大人たちも、驚きを隠せない様子でした。彼女のその様な姿を目にしたのは、その日が最初で最後でした。
  
 次の日にニワトリのゲームを与えたのですが、今度は、みんなで会話を楽しみながら、卵がどこにあるのかを真剣に考え、楽しそうに遊びはじめたのです。そのすばらしい集中力と豊かな表現力は、まるで昨日とは別の子どもを見ているようでした。
    わずか一日で、これだけの違いが出るのですから、日々の遊びとなるとどうでしょうか。おもちゃや遊びが、子どもたちに与える影響は大きいものです。
    子どもたちは、遊びを通じてこころや身体の機能を高めていきます。屋外では、太陽の光を全身に浴びて、元気よく無心で公園を駆け回り、丈夫な身体を作り、室内では、積み木やごっこ遊びなど創造力や想像力を駆使した遊びで、こころを育てて欲しいものです。



良いおもちゃって何?


 良いおもちゃとはどのようなものなのでしょうか。
  幼い子どもに、電池で動く汽車のおもちゃを与えてみるとどうでしょう。はじめは眺めていますが、しばらくすると走っている汽車を掴んで「ポッポー」と遊びはじめるに違いありません。なかには、小さな汽車の上に乗って車掌の気分を楽しもうとする子どももいるでしょう。慌てるのは大人たちです。買ったばかりのおもちゃを壊されては困ります。つい「触らないで!動くのを見ていなさい!」と言ってしまうでしょう。
   そうなると遊びの主は、子どもではなくなり、おもちゃが中心になってしまいます。おもちゃで遊ぶのではなく、おもちゃに遊ばれる受身型の遊びになってしまいます。このような遊びが続くと、自ら物事を判断する能力や自発的に行動する力が低下しまうといわれています。



積み木遊びを通して

  積み木遊びは構成力や創造力を育てる遊びです。また上手に積み上げるためには手先の器用さと微妙なバランス感覚が必要となります。失敗するとすぐに崩れるところも積み木遊びの良いところです。親子で根気良く何度も繰り返し遊ぶとよいでしょう。
    遊び慣れてくると友達同士で、積み木を集める人、積み上げる人、遠くからアドバイスする人など、それぞれの役割分担が決まり、協調性のある小さな社会ができるのも見ていて微笑ましいものです。なかには積み木は、幼稚な遊びと誤った見方をされる方もいますが、大人も子どもも楽しめるとても奥の深いおもちゃなのです。



絵本の『読み聞かせ』と、おもちゃの『遊び見せ』

   幼い子どもに絵本を選ぶとき、大人はとても時間をかけ大切に選びます。そして、その絵本を与えるときには、優しく読んで聞かせます。それはとても良いことです。文字の読めない子どもに、買い与えそのままにすることはないでしょう。
    おもちゃも同じです。絵本の『読み聞かせ』と同じように、おもちゃも『遊び見せ』がとても大切です。子どもたちの成長に合わせて、大人が遊びのサポートをするのです。見立て遊びや積み木遊びのお手伝いをするのです。楽しく遊んでいるといろいろなものに興味を持って遊びはじめたり、自ら発展的な遊びをしたりするようになります。
    あくまで、サポートですから、干渉や強要は禁物です。つい力が入って遊びを指図してしまったり、気が付くと大人だけが楽しんでいたりしないように心がけましょう。



与えっぱなしに気をつけよう

   時々「TV、ビデオは良くない!」といった声を耳にしますが、果たして本当にそうなのでしょうか。たしかに長時間画面を見続けると目にはあまり良くないでしょう。また、ひとりの世界にこもってしまい閉鎖的になりがちともいわれています。しかし、そのようにならないように工夫すればよいのです。問題は『見せっぱなし』や『流しっぱなし』なのです。ビデオを見終わったあと、親子で楽しく語り合えば、言葉だって覚えるでしょう。周りの大人の適切な判断力がとても大切になってきます。また、どんなに良いおもちゃを与えても、与えっぱなしならば同様のことが言えます。


おもちゃ棚を準備


  おもちゃの整理には、おもちゃ棚を用意すると便利です。おもちゃ箱に投げ入れたおもちゃを探し出すときには大人でも苦労します。箱をひっくり返さなければ見付けることのできない物もあり、最初の遊びを忘れて別の遊びを始めてしまう子どもがほとんどです。
    おもちゃ棚のどこにそれぞれを置くのか、大人があらかじめ決めておき、かならずその位置に片付けるのです。スペースも限られるのでおもちゃの数も無駄に増やすこともありません。間違った位置に置いたおもちゃを教えてくれたり、手伝ってくれたりするようになったらしめたものです。大人が楽しそうに片付けをしていると、それを真似てひとりでに身に付くものです。片付けを5歳以下の子どもに強制してはいけません。



静かで落ち着ける環境づくり

  おもちゃだけでなく環境によっても子どもたちは大きく変化します。静かで落ち着いた環境をつくり、毎日の生活リズムを大切にしましょう。決まったリズムを身に付けることで健康な身体づくりにも役立ちます。
  また、子どもたちが使用する家具は、成長しても使うことのできるものを選ぶことをお薦めします。大量生産、大量消費の時代といわれていますが、子どものころから大人になるまで使用できる家具も多くあります。おもちゃや家具だけでなく、すべての無駄を少なくし、モノを大切にするこころを身に付けてもらいたいものです。


まとめ

  子どもたちは、豊かな遊びを通して多くのことを学び成長しています。子どもたちにとって、「遊び」は食事と同じくらい大切なものです。「子育てが難しい時代」といわれる時だからこそ「おもちゃ選び」や「環境づくり」を、我々大人が真剣に取り組んでいきたいものです。









良いおもちゃの7か条

1、安全であること         (形・サイズ・材質・塗料)

2、子供の心身の発達にあっているか (使いこなせない・依頼心を助長・自信喪失)

3、たくさんの遊びが隠れているか  (大人が決めた遊びしかできないものもある)

4、子供が主(中心)になって遊べるか(TVゲーム・ビデオ漬け・電動力)

5、永く使えるか          (成長しても・流行・壊れない・修理可能)

6、他のおもちゃと互換性があるか  (サイズ・スケール)

7、シンプルであるか        (創意工夫・積み木・人形表情)